オッチャン鉄ちゃんの足のむくままタイトル
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旅めぐり脱線百話:Sp-033列車

no.058●15.12.07
      ◎吉備津彦神社の境内から、JR吉備線を望遠する。(大安寺~備前一宮)


 岡山市の北部郊外の緑豊かな丘陵地にある吉備津彦神社は、JR吉備線とすぐ目と鼻の先にあり、楼門越しにグリーンの気動車の走る姿は、オッチャンお気に入りのひとコマである。

 備前一の宮であるこの社は、祭神が吉備国の大王"キビツヒコノ ミコト"。
 古代、吉備国は現在の山陽地方にほぼ匹敵する、広大な領土を持つ大国で、さらに瀬戸内海の航海権をも掌握していたと云われる。つまり現在のように鉄道や高速道路のない時代、大河、湖、内海はかけがえのない運搬路であるばかりでなく、貴重な交易の場でもあり、そこから得る富は国の大きな財源となった。
 その頃の日本はヤマト朝廷の誕生以前、まだ日本列島の各地域に大、小の国々が存在していた頃である。

 ところで岡山といえば「桃」である。むっちりした「太もも」の大好きなオッチャンも「桃」は大好物である。このお話の主人公、「桃太郎」ことキビツヒコノミコトはご存知、鬼退治に出かける。
 中国山脈の地質は砂鉄を豊富に含み、朝鮮半島より最新の製鉄技術を持った集団が海をわたり、続々と渡来していた。溶鉱炉にあたるタタラには常に高温の火が必要であり、それをまかなう大量の森林もこの地には豊かに存在した。
 ウ羅という優秀なリーダーが率いる、鬼たちの大製鉄グループに目を付けた桃太郎は、大軍を率いて彼らを攻撃した。
 深い山奥で作業をする人々は、高熱に溶けた鉄塊に顔も身体もまっ赤になった、あたかも赤鬼のごとく見えたのだろう。
 つまり鬼退治とは製鉄の利権を吉備国のモノにするための、桃太郎たちの略奪行為だったのである。

 ウ羅は捕えられ、ハネられた首はやがて吉備津彦神社の地中深く埋められたそうな。
 夜ごとウ羅の首がすすり泣きながら、ウメくように言うのである
「鬼はワシでは無い…あの桃太郎だ……!」




 JR吉備線は明治37年、中国鉄道吉備線として岡山~湛井間が開業。湛井駅は現在の総社市湛井にあり、岡山まで利用されていた高梁川の船便との連絡を目的に建設された。大正14年湛井駅を廃止して終点を西総社駅(現、総社駅)とした。その後、戦後の国有化を経て現在の吉備線となった。

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◎「昔ばなしのふるさと・吉備路」のロゴが入った、イベント車両。(岡山駅)

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◎備前国の一の宮である「吉備津彦神社」の最寄り駅。(備前一宮駅)

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◎沿線には、爽やかな五月の風が流れる。(大安寺~備前一宮)

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◎鉄橋のふもとに咲く、可憐な春の花。(大安寺~備前一宮)

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◎春の光を浴びた、園内の噴水が美しい。(チボリ公園)

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◎公園内を縦横に走る"トロリー電車"。(チボリ公園)

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◎古い街並みを流れる運河には、観光船がのどかに進む。(倉敷市内)

    ◎写真の人物はイメージです。文中の登場人物とは一切関係ありません。
    ※チボリ公園は平成9年、デンマークの「チボリ公園」をモデルに開園。平成21年に閉園された。
    ◎JR吉備線(2007.05.05撮影 Cr/2008.06.27)


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