オッチャン鉄ちゃんの足のむくままタイトル
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旅めぐり脱線百話:W-022b列車

タンゴ半島浦島伝説

no.036●14.02.25
メイン036写真
  ◎日本海にそそぐ由良川の河口を、コバルトブルーの色あざやかなKTR1000形の列車が渡る。 (丹後神崎~丹後由良)

 今から二千年以上もの昔。

 不老不死をねがう中国は秦の国王'始皇帝'は霊薬を求め、太古よりその名を知られた東海の彼方に浮かぶ小島、倭の国に高僧'徐福'をさしむけた。

 数千人もの大船団で東シナ海を旅だった丸木の小さな舟の大群は、帆にいっぱいの風を受け一路、倭の国にむかった。
 やがて風や嵐は小舟を黒潮や日本海流にのせ、目的地とは遠くはなれた、日本各地の至るところにたどり着かせた。
 こうした不老不死を願う伝説が、日本全国の津々浦々に伝わるのは恐らくそのせいであろう。

 この徐福伝説を日本版にアレンジし誕生したのが、あの有名なおとぎ話「浦島太郎」ではないかとオッチャンは推測する。
 なかでもここ丹後半島ではマコトしやかにそのお話が語りつがれているのである。

 助けたカメにつれられて遠い海の彼方へ行った浦島太郎は数十年後、若者の姿のまま生まれた村へ帰りつく。
 思いおこせば竜宮城で超美人の乙姫さまに云い寄られ、それはそれはゴージャスな生活を送った太郎くん。そのうえ鯛ちゃんやヒラメちゃんの舞い踊りや、ハマグリちゃんのパックリサービスなんかも有ったりして気持ちのいいことこの上なし!
 しかし人生たのしい事ばかりではない。楽あれば苦あり。
その後、浦島が一瞬にして白髪の老人となったミジメな末路を見よ。

'ズッキーン!'
その尊い哲学的伝説を耳にしたオッチャンは思うのだった。
'ああっ、いままでの自分の人生はいったい何だったのか?!'

 丹後の空は見事に晴れわたっていた。
 北近畿タンゴ鉄道・宮津線を快走するブルーの気動車、KTR1000形の車窓を流れる真っ白な雲と、コバルトブルーに輝く日本海の大小の白波をながめるたびに'ぐうたら人生'を長々と送ってきたオッチャンの胸は、激しく痛むのであった。

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◎海面から垂直に切り立った険しい絶壁をゆく。(丹後由良~栗田)

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◎単行の列車が長大な鉄橋をゆっくりと走り過ぎる。(丹後神崎~丹後由良)

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◎列車は爽やかな宮津湾に添って快走する。(栗田~宮津)

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◎宮津湾にまぶしい朝の光が射し込む。

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◎船は海鳥のたのしい休憩場所。

◎北近畿タンゴ鉄道・宮津線 (2003.07.06~2011.10.10撮影、Cr/2008.08.16)                        
※この物話はフィクションであり、使用した写真の建築物、施設等には一切関係ありません。



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