オッチャン鉄ちゃんの足のむくままタイトル
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旅めぐり脱線百話:Su-019a列車

馬上の人

no.024●13.09.10
メイン024写真
  ◎十字街交差点に建つ古めかしいビルの前を走る「函館ハイカラ号」(十字街付近)


 ここ函館は旧幕府軍と薩長連合軍との激戦地としても有名であるが、かの新選組副長、土方歳三の終焉の地である事は、あまり知られていない。

 明治元年。旧幕府海軍副総裁の榎本武揚は、開陽丸を旗艦とする7隻を率い江戸から北上。函館湾に投錨するや、五稜郭を占領。新国家の樹立を宣言した。その官僚の中に土方歳三も名を連ねていた。

 土方は江戸近郊、日野の郷士の四男として生まれ、天然理心流皆伝。近藤 勇らと共に新選組を結成。その名を馳せるが京都、鳥羽・伏見の戦いで薩長連合に大敗し、生き残った僅かの隊士と共に江戸に敗走。その後、北の大地に新政府樹立を夢見る榎本武揚と合流した。

 大政奉還により榎本新政府は反乱政府とされ、これを滅ぼさんとする薩長軍と戦う事となる。世に云う'函館戦争'である。湯の川が最初の戦場となり迎え打つ土方隊の圧勝となったが、この戦いを皮切りに迫り来る薩長軍の圧倒的戦力に、新政府は劣勢を強いられることになった。

 ある朝、土方は郷里の姉への手紙と、榎本政府軍の西洋式軍服をまとった写真を部下に託し、愛刀を手に一人、馬上の人となる。
 徳川旗本の侍になる夢、近藤、芹沢、沖田、など散っていった新選組隊士の面影、やっとたどり着いた北の果ての最期の地。様々な思いと共に、土方は単身、敵陣に躍り込むのであった。




 時は移り、平成も15年となった。
土方が最初に敵を迎え討った、あの湯の川の地をカメラ片手に、♪はぁるばる来たぜ。はぁこだてぇぇぇ…などと歌いながら脳天気なオッチャン鉄ちゃんが一人登場。
 停留所でチンチン電車に向けて、シャッターを切りまくっている。
一面に花々が咲く、まったく穏やかな現代の風景である。先人の努力の上に築かれた平和。せめて私も「チンチン電車の人」となり今一度、人生を深く考えねばならない…とつくづくと思うのであった。

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◎「湯の川」の停留所は花にうずもれていた(湯の川)

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◎十字街は「湯の川線」と「宝来・谷地頭線」の交差駅(十字街)

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◎「東京都電」とおなじ線路幅の「函館市電」は都電からの譲渡車も多い(湯の川)

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◎電車は楽しいデザインが施されている(湯の川)

※写真の人物はイメージです。文中の登場人物とは一切関係ありません。                        


◎函館市交通局(2003.08.08撮影、Cr/2007.09.08)



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