オッチャン鉄ちゃんの足のむくままタイトル
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旅めぐり脱線百話:Su-015列車

潮騒の海

no.016●13.05.21
メイン016写真
  ◎池の浦シーサイド臨~鳥羽


 神島。伊勢湾の入り口に浮かぶ小島である。

 その昔、山口百恵の主演で大ヒットした映画「潮騒」の舞台となった島で、恋人役はその後モモエちゃんと結ばれた三浦友和である。
 番小屋でびしょ濡れになった二人が焚き火のそばで、全裸で抱き合いナメまくるシーンは多くのファンを映画館に呼び寄せた。
 原作はかの文豪三島由紀夫。あの地中海の古代ギリシャの島々に伝わる物語を下敷きに書かれた。

 真っ青な空と紺碧の海に挟まれたこの島は、遠くミクロネシアから流れ来る黒潮に乗って運ばれた人々の末裔がすむ島であるという。
 太古の昔、水平線のはるか彼方より大海原を丸太舟に乗り、沖縄、九州の東海岸、四国土佐を過ぎ、紀州熊野、そして、ここ伊勢に到着したこの人々は、今もこれら各地域で数々の共通点をとどめると云われる。

 ほんの小さな小舟で何万キロもの大海原を渡る勇気と精神力。 現代に於いても土佐や紀州太地の海では捕鯨が有名であり、また海外に勇躍する人たちの多さは、やはりその血を受け継いでいるからであり、その豪放な性格の成せるワザであろう。

 JR参宮線の列車は、遠くに神島を望む、この入り江を築堤で横断するという、めずらしい路線を通過する。まるで海の上を渡るような風景だ。

 晴れわたった空のもと、あの神島の浮かぶ伊勢湾を快走するその姿は、古代の海洋民族が黒潮に乗り、広大な海上をたくましく、そして勇壮に渡りゆく姿を彷彿とさせるのである。




 JR参宮線は明治26年、参宮鉄道により津~宮川間が開業。さらに同30年に山田(現 伊勢市)まで延伸、同40年に国有化となった。同44年に山田~鳥羽間が開業したが、その後、昭和34年に多気~鳥羽間に路線縮小、現在の路線が完成した。

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◎駅前に建つ常夜灯。ほのかな灯りに神々しい雰囲気が漂う。(JR鳥羽市駅)

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◎水平線上に浮かぶ小さな島が神島である。(池の浦シーサイド臨~鳥羽)

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◎(池の浦シーサイド臨~鳥羽)

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◎波静かな入り江に、数えきれないほど無数の漁船が並ぶ。
(池の浦シーサイド臨~鳥羽)

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◎穏やかな岸辺は、まるで湖のよう…。(池の浦シーサイド臨~鳥羽)

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◎池の浦シーサイド駅は夏季だけの臨時駅。
(池の浦シーサイド臨・付近)


◎JR参宮線(2004.06.13撮影、Cr/2008.06.27)



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