オッチャン鉄ちゃんの足のむくままタイトル
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旅めぐり脱線百話:Sp-012b列車
憧れの
フォークリフター
その2

no.013●13.04.09
メイン013写真
  ◎琴電屋島駅


 翌朝は集合時間の30分も前に教習所に着いた。

「おっ、早いのう」
おだやかな年配の教官だった。受講生は全員で8人。ヘルメットとゼッケン姿の若者たちは、食い入るように教官の説明を聞いていた。
「よし、1番から教えたとおりやってみろ!」
「はい!1番、土居則夫です。前よし、後ろよし、右よし、左よし、出発進行!」
「バカモン!前方よしだ!」
則夫は悲しくなった。どうしても電車の運転のように出発進行!と言いたかったからだ。
「…前方よし!」

 アクセルを踏んだ。カーブだ。マスコンのようなハンドルをくるくると回した。夢のかなった則夫はにっこりと笑顔になった。いよいよ荷物を積んだパレットと呼ばれる木わくの二つの穴に、鋼鉄製の硬く尖ったフォークを突きさす。

「前方よし」
「気持ちを落ちつけて!」
教官の指示がとぶ。アクセルをゆっくり踏みながら穴の周囲をこすらないように、中心めがけソッと優しく挿入するのだ。

 ブスリ!ズズズッ~黒光りするド太く、たくましい鋼鉄のフォークは、グイグイとパレットの奥深くまで進入する。目印のところで一旦停止したリフトは、そ~っと痛くないようにフォーク抜きだす。
 そして再び硬く硬くいきり立ったフォークは挿入姿勢を整え、前回より更に深く深くブスリ!ズズズズズーと最深部に到達するまでフォークを挿入するのだ。
「そこだ!もっと奥まで!奥まで!気持ちよく!ググッと、ググッ~と!」 絶叫するがごとく、教官のするどい声が、何度も、何度も響く。

 ふと則夫の脳裏に夜ごと見るエッチDVDの映像が浮かんだ。
則夫はかつて体験したことのない強烈な挿入行為の快感に恍惚となった。
 そして、目の前の鋼鉄のフォークにさし込まれたパレットの暗く湿った深々とした穴に、あの長い髪の少女のあどけないポッチャリとした顔を重ねあわせてしまうのだった。




 志度線は「琴電」のなかでも最も古い路線で、1911(明治44)年に東讃電気軌道として今橋~志度間が開通した。その後、社名を讃岐電鉄と変更。さらに1942(昭和17)年、現在の社名、「高松琴平電気鉄道」となった。
 「琴電」には、他に琴平線、長尾線があり、地方私鉄では比較的長い路線を持つ。また、車両は全国各地の鉄道会社の中古車をよせ集めて運行しているため、「動く鉄道博物館」とも云われ、鉄道ファンに人気がある。

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◎後方の山は八栗山。(塩屋~房前)

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◎潮風の香る、志度湾の入り江をのどかに走る。(塩屋~房前)

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◎(房前~原)

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◎(房前~原)

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◎志度湾の夜景(塩屋~房前)


◎高松琴平電鉄・志度線(2005.09.18~19撮影、Cr/2008.06.20)



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