オッチャン鉄ちゃんの足のむくままタイトル
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旅めぐり脱線百話:A-004列車
オッチャンは
さびしんぼう

no.004●12.12.08
メイン001写真
◎JR山陽本線 東尾道~尾道(尾道から尾道水道ごしに向島を見る)
(2002.12.30撮影、Cr/2008.06.27)

 尾道水道をバックにカーブを描きながら快走するJR115系の列車を撮影するオッチャンは、あの若き日に心ときめかせながら、スクリーンに映る憧れの「富田靖子」の横顔をウットリと眺めていた事を思い出すのである。

 ひとがひとを恋うるとき、ひとは誰でもさびしんぼうになる…。

 あの大林宣彦監督の尾道を舞台にした映画'さびしんぼう'の感動的名セリフである。
 私ごとでありますが、なにを隠そうオッチャンは若い頃からず~と'さびしんぼう'だったのである。見る女性、会う女性、すべての美しい女性に'恋うる'のである。
 ある日、ハッと目を奪われた真っ赤なドレスの女性。よく見ると道端に立つ郵便ポストであった。

 そんなトホホなオッチャンの話はとにかく、スクリーンに登場するのは美しいマドンナ。細い指先から流れるピアノ演奏、ショパンの「別れの曲」を弾く女子高生、あの「富田靖子」演じる橘 百合子の横顔を校舎の窓越しに望遠レンズでのぞき見る思春期のお寺の息子、ヒロキを主役に物語は始まる。

 ある日ヒロキは、ふとした事から、憧れの百合子に偶然出会う。 二人は夕日に照らされながら、黄昏せまる尾道水道を向島までフェリーで渡る。そしてヒロキは百合子の帰る後ろ姿を、いつまでも見送るのである。だが、その後ヒロキに届いたプレゼントに添えられた手紙は 「この間は嬉しかった。でもこれきりにして下さい」

 う~む、女心は複雑だ。
だが人生は難解なもので映画のラストシーンではそんな百合子が十数年後、お寺の跡を継いで住職になったヒロキの奥さんとなり、さらに、百合子の娘が「別れの曲」を弾くシーンで映画は幕を閉じる。

 …ともあれ、なぜか懐かしい尾道の街を背景にくり広げられるこの物語、オッチャンはただひたすら、あの「富田靖子」の美しい横顔を眺めるだけで胸がキュンとなるのであった。

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◎JR山陽本線 東尾道~尾道(2002.12.30撮影、Cr/2008.06.27)
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◎尾道水道(2002.12.30撮影、Cr/2008.06.27)



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