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第八話タイトル
ほんまに高田さんは、
わしらの話をちゃんと
聞いてくれるなぁ。
わしらがほしいおもてるものが
ちゃんとわかってはるわ~



いやぁ、おばぁちゃん見てると
僕のほんまのお母ちゃんに
見えてなぁ (泣)
僕の実家、京都の山奥やさかい、
なかなか帰れんのよ。
成績ださな なかなか休みもらえへんしな。
でもな、僕のこと気にせんでいいから
本当に必要やと思ってくれたもんだけ
買ってくれたらいいんよ、おばあちゃん。



なんや あんたみてると、
東京いって なーんも連絡してこん
息子と よー似てるさかい、
ついつい助けたろう思うんよ。



いやぁ、無理せんでええよ、
おばあちゃん。
あっ、一つだけお願いがあるんやけど。
田中のおばあちゃん、
いや、まだ若いしきれいやから
おばあちゃんは悪いな、
「お母ちゃん」ってたまに呼んでも
いいやろか?


いやぁ、高田さん嬉しいこと
言いはるわ。
ええよ、お母ちゃんやおもて
甘えたらええよ。



お母ちゃん!
商品なんかいいから長生きしてや!

このパールストーンネックレスな、
特別な磁石が入ってて
血流がよく なって肩こりはもちろん、
コレステロールを除去する作用があるんやで。
でも高いさかいやめときな、お母ちゃん。




…なんぼなんや?




2つセットで50万なんや。
ここだけの話やけどな。
お母ちゃんがこうてくれるなら、
僕の裁量でなんとか30万にしとくよ。




30万でええんか?
それであんたの成績が上がったら
休みとれるんか?



うん、でも無理せんといて。
ほんまに。



高田さんええ人や。
ほんまの息子 みたいにおもてきたわ…
よし、こうたる!商品もっておいで。



ええ?ええんか?お母ちゃん。



まだまだ死んだお父ちゃんが
わしに残してくれた貯金があるがな。
まかせとき!
それで京都の実家にもたまには帰って孝行したらなあかんで。



あ、ありがとう、お母ちゃん(泣)
僕がんばるわ。もっと成績あげて
またこんな旅行連れて行くさかいな。
あっ、肩もましてぇな。



ほんならたのもか。
なんや…ほんまに息子が
優しなってもどってきたみたいやなぁ、ほろり…



僕もほんまのお母ちゃんの肩もんでるみたいや、にやり…





なぁ、お母ちゃん、あんな業者に
つきあうのやめときぃ、
お父ちゃんの財産全部根こそぎ
ふんだくられるで…
東京のお兄ちゃんも心配しとったで。




おまえらはなんにもわかってへんのや。
高田さんはええ人やで。
あんたらよりわたしの
面倒よーみてくれる。

ほらっこのビタミン剤みてみぃ!
市販ではこんなに数値の高いのは
売ってへんねん。
高田さんがわたしやから「特別 に」
売ってくれたやつや。
ひと瓶3万円のやつを
1万2000円で売ってくれたんやし。
ヨーロッパからの舶来もんやで!
この会に入ってないとそんな値段で
手に入らんもんや!
あんたらも入会せんかいな。



お母ちゃん…
これ「Made in China」って
書いてあるよ。
だまされとるんよ。お母ちゃん…



だまされてるもんかいな!
わたしら、ちゃんとセミナーも
うけてるんやで!
高田さんが講師でデータや資料も
出してくれてきっちり説明して
くれるんや!



でも お母ちゃん…



おまえらは勉強してへんから
わからんねん!
不愉快や!今日は帰り!
また、よ~勉強したらおいで!



ほな今日は帰るけど、あんまりお金つかわんときや。



おおきなお世話や!
あんたらに 財産残すくらいやったら、
高田さんにあげるわ!


………。ばたんっ