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第二章#9タイトル
 
第二章9-1写真
 
ー今からお弟子さんをとるとか考えられてるんですか。
 
藤本   私はようしません。ハハハ
しんどいしんどい。ハハハ

人扱うのは一番しんどい。
毎日黙ってもの言わんばっかしが相手やから楽やけども。ハハハ
十何年か前に、お弟子さんの話し言われましてん。
カメイガラスが無くなって全く仕事が無くなった時に
一升瓶とかに模様入れたりしてたんですけども、
その時、六十八か九の時ですね。

でも家内が反対したんです。
「お父さん、今更そんなしんどいことせんでも…」って、
なんかして食べていかなあかんなら困りますけど、
一生懸命働いた時代があったさかいにね、
そこそこのモンできてたんで。

「お父さん、十年二十年食べることに心配イランのやさかい、
お父さんそんな無理せんといて〜」って家内に止められたから。

それにやろう思たら、それ相応の設備もいりますからね。
 
ーそうですよね、それが一番大変ですよね。
 
藤本   それが一番大変です。
それをペイする時間ありませんがな。ハハハハ

「だからお父さん、好きなことだけして」って、
せやから好きなことだけするわって
一升瓶に花模様とか入れてたらコバルトブルーの弘津さんがきて。
それからまた忙しなって。ハハハハハ

せやけどね、家内は喜んでますねん。
「お父さん好きなことでね、ポツポツやる仕事があるし、
もう私は手伝いに行かんでええし」って。
ハハハハハ
 
ー奥さんも手伝って来られてたんですね。
 
藤本   そうそう、手伝ってくれてたんです。二人一緒にね。
 

ー奥さんとも同じような考えやったから、ずっと喧嘩もせずというね、感動しますね。

 
藤本   そうそう、そうですねん。良かったなぁって思いますねん。
 

ー支えていただいたってところもあるんですね。

 
藤本   ええ。
こういう仕事をする下回りいうのはね、砂付けとかね、
手で付ける時には前におってちょっと付けてもらうとものすご早い。
今は私自分で付けてますけどね。

私の嫁さんに来るんやったら百姓して、
辛い百姓したような人やないと…。
サラリーマンの娘さんみたいな人やと絶対ウチは勤まらない。
百姓仕事した人やったら、こういう仕事はヘッチャラやから…。

私もハタチまで百姓してるし、家内も高校上がってから。
自分は丸紅勤めたかったのに、丸紅受かっとったのに
親助けて百姓しとったからね。

畑がね二町ほどあるんですわ。
それもね女ばっかりの三人姉妹やさかいに、
お姉さんのお婿さんは百姓が嫌いで。
やっぱり百姓だけでは食べていけないからタクシーの運転手でね
大阪に行くさかいに。

実際はウチの家内が芯になって一生懸命にしていたんですよ。
だから暑い時、果樹の桃やぶどう、柿の消毒するときも
噴霧器背負ってマスクして、
マスクいうたかて今のようなエエマスクあれへん。

タオルでマスクしてそれも眼鏡かけてるさかい、
あいつのことやからほとんどマスクもせんと仕事を
しとったんとちゃうかなぁと思いますわ。
そういうのが積もり積もって身体にこたえてたんやないかなて
思いますねんけど。

ねぇコロッと逝ってしもて。
 

ーこんなことを言うと不謹慎なんですけど、お幸せだったんじゃないかと。

 
藤本   そう、スゴく幸せな死にかたでしたよ。
子供らはね、悲しんでませんわ。
 
ー夢枕に出て来られたんですもんね。
 
藤本   ええ。
せやからね何かに付けて守ってくれてるんやなって思うさかいにね、
わたしも家内にお礼ばっかり言うてね。
 
第二章9-2写真
 
藤本   喋ってる間に、これを磨いたら完全に仕上がります。ハハハ
 
第二章9-3写真
 
藤本   私ねこんなに写真撮っていただく取材は初めてです。

私ら職人ですからね、見たかったら見においでって感じで
別に宣伝とか思ってないんで。
 
ーいやぁ藤本さんが思われている以上にスゴい技術で仕事をされているんだと
  思ってますよ、私たちは。
 
藤本   そう言っていただくだけで十分ですよ。
 
※仕上げの磨きをかける
※洗う
 
藤本   で、これでできあがりですわ。
 
ーおぉキレイ!! すばらしい!!
 
第二章9-4写真
 
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