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第二章#8タイトル
 
 
藤本   このねぇ石の心棒が減って行くために、
時折鍛冶屋さんで今まで先っちょ削ってもらったり
したんですねんけど、なかなかね。

花模様とかが、下絵もなしにパッパッて出来るようになると、
あとは大体みな応用で。
見ただけで、実際教えて貰ろた加工場の仕事ではやってないんですよ。
せやけどやり方が一緒やからでけるんですわ。
ああいう風な仕事はいっぺんもしたことないんですわ。
 
第二章8-1写真
 
ーえぇそうなんですか。
 
藤本   親方の家ではしたことがないんですねん。
けどやり方は一緒やからね。
石の扱いいうんか、そういうもんが一緒ですから。
 
ー基礎が一緒なんですか。
 
藤本   基礎が一緒。あとは応用だけなんですわ。
十分役に立つわけですわ。
 
ーいかに基礎がしっかりしてるかということですか。
 
藤本   そう、そうですね。
今の中国でやってるのはこれですな、
段々切子がよくなってきてますわ。
同じもんばっかり毎日毎日それをやってるためにね。
 

ーということはこれから中国は技術が発展して行くと。

 
藤本   あぁ発展して行きますよね。
 

ー不思議なものですね。

 
藤本   そうです。
結局習うより慣れよということで、そればっかりやってるところは
強くなっていきますね。
良くなっていきますね。
 

ーそれが昔の日本だったわけですよね。

 
藤本   そうです。
 

ーそれで今では日本がそういう技術を継承して行く人たちが
  どんどん少なくなっていってるんですか。

 
藤本   えぇそうですね。ちょっと寂しいですよ。
製造工程のこういうガラス吹いているところも、
日本でやろう思ったら今度は外国から教えに来てもらわないと
いけなくなります。
 

ーえぇ〜

 
藤本   もうあべこべになるんです。
 

ー日本から技術を海外に教えて、今度は技術を教えて貰う。

 
藤本   そんな循環になってくるんじゃないかなって皆心配してます、
やっぱり。
 

ーこれは由々しき問題ですね。

 
藤本   う〜ん。そうです。
ものづくりの日本だったはずですけど。
要するに若い人が職人さんが育ってませんやろ今は。
 

ーはい。

 
藤本   アメリカと一緒ですやろ。
個人で窯炊いて吹いている人は沢山おんねんけども、
企業としてやってんのは、大々的にやってんのはもう、
コップなんかは一日何万個とできますんやね。
 

ーそうなんですか。

 
藤本   ワタシら見に行った工場なんかは、最高一日12万個作りますねん。
 

ージュウニマン個!

 
藤本   そのかわり、ガラスのことですから窯炊いてますから、
昼夜三交代でやりますんやね。
せやけど自分らが吹いてるんやない、
機械がプシュンプシュン溶けたガラス球落としてくれて
それを成型して。
機械が全部やってくれます。

ものすご大きな、十何メーターあるような大きな機械がね、
順番にクルクル回りながらするところを
私ら見せてもらいましたけどね、石塚硝子の大きい機械。
もうね何メーターあるのかな直径が…。
ぐるりに一つずつ壷、ガラス成型の型が下にあるのです。

そこへ赤い溶けたガラスの球が光って落ちて来るのんわかりますわ。
絶えず落ちてくる。
それを下で完全に成型して、足の付いたやつなんかは、
手で吹く場合は鈴(リン)だけ吹いて途中で足だけくっつけて
引っ張って、また先っちょをへらで抑えて台を丸くしたもんが、
機械やとちゃんと出来上がった製品に仕上がったもんが
横にポッポッて出来上がったぁる。
 

ーほんまに工場ですね。

 
藤本   工場ですわ。
ほんまにビックリしました。ベルトコンベアー。
ラインに乗って出てきますねやわ。
 

ー製品見られてどうでした。

 
藤本   製品は今までのよりか規格のエエもんができますわね。
完全な規格のええもんが。

今はほとんど、その手の製品ばっかりですわ。
だから昔の吹く仕事が無うなってしまいましたわ。
ハハハハ
町工場の職人さんが無くなってしまった。
 

ーでは今は芸術性のあるものしか手作業で残らないんですか。

 
藤本   そうですね、残りませんね。
 

ー藤本さんの技術は芸術性があるんですから、それを継承することは必要ですよね。

 
藤本   イヤイヤ、ハハハ必要やねんけども、
よっぽど好きやないとついてこれませんやろね。
 
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