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第二章#5タイトル
 
 
藤本   歳行ってからの私の段取りでは、
こんなに切子するとは思わなんだんですよね。

オートメーションの機械が出来る切子のように手間のかかる仕事は
はじめは韓国、今は中国。

仕事の幅を広げるためにサンドブラストの設備をした時、
昭和50年代の初めと思います。
近所の照明用シェード吹いている製造工場から
仕事をいただくようになり、途中からサンドブラストの仕事が
主力になりましたから。

切子は趣味のために残しといたようなことでね。
それをコバルトブルーの弘津さんが見はって
今の仕事になったんですからね。

だから充分な用意ができてないんですよ。
このプーリーかって、二つ作っただけなんですよ。
 
第二章5-1写真
 
藤本   今このプーリーの中旋盤で切ってくれる
近所の鉄工所の職人さんが亡くなってしもうてですね。
この機械とかもよう面倒見てくださってたのに。

「今は溶接はできるけど旋盤はでけへん」って。
だんだん、そういう人たちがおらなくなって困ってるんですよ。
 
ーあぁそうですよね。
 
藤本   まぁ今更自分一人ですから、
ちょっと手間がかかるけどもなんとかやってます。
 

ーでも、それこそお父さんのような職人さんこそ、
  どなたかに技術を引き継いでいただかないといけませんよね。

 
藤本   ハハハハ。
ワタシらの同業者の人も、教室開いてね。
 

ーそうですか。

 
藤本   私みたいに照明とかやらせてもうてるので仕事はありますけども、
食器触ってた人なんかは仕事無いためにね教室開いてはります。
そういう教室に通ってはる人の中に
ポツポツそこそこ職人仕事のできる人がいてはります。
 

ーはぁそうなんですか

 
藤本   ええ、習ってはる人の中にはね。
ところがね、こういう前で回ってるもんを扱うために、
直線から直線ですよね。

直線から直線のそういう仕事はできるんです。
直線ばっかりの組み合わせなら、じきに出来るようになりますが…

ところがさっきの円なんかは難しいんですよ。
難しいって訳でもないんですけど。
直線やったら上下、チョボ付けるだけで
そこへ向かってまっすぐやればええんで、誰でもでけますねん。
ところがカーブの場合は、同じカーブをやろう思て
線引かんなあきません。
その線引くだけ余分なことなんです。
 
第二章5-2写真
 
ーそうですか〜。
  でもお父さんは二本目の横線は下書き線引いてはりませんでしたよね。
 
藤本   あぁ、二本目のはね引かんでいけますね。
 
ーなんであんなにキレイな線が引けるんですか。
 
藤本   いや、片っぽに線があるから、それに沿ってやからね。
沿ってやったらいけますねん。
せやけど、実際にいうたら幅の広いとこ狭いとこありますよ。
 
ーでもわからないですわ。
 
藤本   いやぁところどころ幅も違いますし、完全な球にはなっていません。
 
ーわっからへんですよ〜。
 
藤本   きっちり言うたら三角になって、
うまくカーブになってないとこも、出てくるわけですわ。
 

ーいやぁ、この技術をどなたか継いで欲しいですね。

 
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