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第一章#4タイトル
第一章#4-1写真
 
 
藤本   相当昔からある切子で、"かごめ"言いますねんけど。
これなんかはえらく早くにでけてますわ。

最初日本に一二個入ってきた時に昔の人は考えたんでしょうな。
竹籠によく似た模様やからね、"かごめ"言うて昔からあるやつです。

"かごめ"も、ここにある"菊つなぎ"って言う模様もね、
両方とも直線の組み合わせです。
みな直線ばかりで組んで行きます。

グラインダーは図2Vカット用のもの1枚で仕上げます。
 
ーはぁ〜、見事ですね。
 
藤本   イヤイヤ〜。こっちのは矢来(やらい)って言いまして。
昔の竹矢来から来てるものらしいですね。
 
第一章#4-1写真
 
ーここに展示されてる中で一番お気に入りのものは何ですか。
 
藤本   ワタシの気に入りいうのはやっぱり、
その時その時に自分で見本切ったときには「これがええなぁ」って
切ってますねんけど。特にはないですね。
特にお気に入り言うのはありません。
まだまだ未熟です。
 
ー未熟だなんて。
 
藤本   いやいやホントに。
こちらの弘津さんとは10数年のお付き合いさせてもろてますけどね、
毎年数点色んな模様作ってます。
 
ー楽しいですか
 
藤本   楽しいさかいできるんですわね。
これが苦痛やったら、ようしません。ハハハ

やってる時にはね、やっぱり真剣ですよ。ワタシらなんかもね。

やってるときは、昔の武士やないけど切るか切られるか
真剣勝負や思てやってます。
少し大げさですけど。ハハハハ

せやないとちょっと油断したり他の事考えとったら、
滑らしますし押し間違えします。

切り子の場合横から見たらガラスの厚みがあるから狂いますねんね。
やっぱり真っ正面でたえず真っすぐ来てるのを見てやらんと
あきませんねん。
 
ーひとつ完成するのに、どれくらいの時間がかかるんですか。
 
藤本   ものによって違いますね。自分で楽しんでやってますからね。

外国から、やっぱり安いもん入ってきてるさかいにね。
これぐらいやったら辛抱して売ってもらえるかなと。
職人いうもんはそういうもんですよ。

そのかわりに、外でお付き合いでえろう使う事もありませんし。
この歳なって自分の食べるだけ十分させてもろうてます。
それでエエ思うんです。
欲かけたらエエ仕事できませんねん。

むかし、薩摩切り子いうてエエ仕事したはりましたけど、
殿さんから食いぶちもらえるから、あんなエエ仕事ができたんです。
結局、一日ナンボ売り上げせなアカン思たら、仕事が雑になります。

だからワタシは楽しみでね、
これだけのモンを作って皆に喜んで買うてもろて
キレイや言うてくれたらもうそれで十分です。
 
ーエエ笑顔されてるから充実されてるんやろなと思ってました。
 
藤本   家内からはね、
「お父さん、ええ加減にもう仕事おいときや」って
えろう言われた時もありますねん。
 
ーあぁそうですか。
 
藤本   うん、そこまでせんでも食べていけんねんやしって
言われた事もありますねん。
せやけどね、ワタシここから外れたら楽しみ無くなりますねん。
 
ーいいですねぇ。
 
藤本   キレイやぁ言うてくれたら一番嬉しいですわ。
ハハハ
 
ーホントキレイです。
 
藤本   ハハハ一番嬉しいです。
 
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