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西尾さん顔   テコ式万年筆は、このエビみたいになってる
レバーを押さえると、ここに金具が入ってて、
きゅっと押さえとるわけ。
離すとパッと上がるでしょ、
その瞬間にインクが入るわけ。
これで押さえよるわけや。
ほんでパキとやったら開くでしょ。
これがテコ式やねん。
  1-1写真2
1-2写真2


ーー
 
どうなんですか、こっちのテコ式と、インキ止めと…。

   
西尾さん顔  

そりゃ、インキ止めというのは邪魔臭いけど、
長いこと書く小説家とかの人は
そういうのん使うわけ。
インクがタンと入るから。
後ろの尻ネジ緩めといたらずーっと書けるから。

ちょっと開けてるだけでインクが
ボタッと漏りよるから、
始めはみんな不安がるけど
これが分かってくると、
開けたり締めたりしながら勘を掴むんよ。
ほんで書いてる間にペン芯と
ペン先の先の間へ溜まってきよるわけ、
伝わってくるところへね。
そこへインクが出て来るようやったら
ちょっと締めたり、緩めたりしているうちに
ずーっと書けるようになるわけ。

テコ式はパッと抑えるだけやから
インクの量が少ないわけ。
ちょっとコツがいるから

  1-2写真3

1-2写真4

1-2写真5

テコ式、これが水やからこんだけ入るねんけど
インクやったら比重とかあって
こんなにも入らない。
インク入れて売るわけイカンからね。

これが段付きちゅうヤツや。
フタを締めたらここまでで収まりよるわけ。
で、ようこのフタがバカになるわけ。
クルクル締めすぎたりするとな。

  1-2写真6

1-2写真7


この万年筆は
ワタシが作ったヤツやけどね。

 

1-2写真8

これはね金具で止めてあんねん。
キルクを。
  1-2写真9
これもな、分解して見せたげるわ。
  1-2写真10

こういうのを作るわけや   1-2写真11
これがここにピタッと合うたら
インクが出ぇへんわけや。
  1-2写真12
そしてこれを戻すことによって開くでしょ、
ほんでインクがビャ〜って出るんよ。

こういう押したりする道具はみな作るんよ。
1-2写真13

ーー
 
へぇ〜、作業場に置いてある道具って言うのは
全部作りはったんですか

   
西尾さん顔   そうそう、自分で作るんよ。



このネジは、左ネジ右ネジ言うて、
ネジの山数が違うねん。


これでネジが閉まっていきよんねん。
今左でネジ締めたら入ったけど右やと緩むんや。
これ以上いけへんようになったら
あたっとんねん。
これ空いてるでしょ。
空いてたら音が違うわけ
ビンビンビン
キチッと閉まったら音がこもってるでしょ、
全然違う。
それでインクがピシャッと止まるんやな。
  1-2写真14

1-2写真15

ーー
 
スゴい

   
西尾さん顔   今の万年筆は一つのパーツでいけるけど、
ペン先は太書き、中字、細書きの
3種類あるけどな。

昔の万年筆はようけ大きいのや
小さいのや種類があるんですわ。
小さいとこに大きいペン先付けたら
ブサイクや。
しやからそれなりの号数がいるわけ。
2号とか3号・4号とか言うように
分けてるわけ。

しやからこれに対して
バランスの合うたペン先を付けなあかん。
万年筆そのものの軸に、細いのから太いのまで
一本一本手でひくから、
それによってここの頭の「天金」も違うわけ。
小さいやつに、大きいのん持ってきたら
笠かむりよるからね。
せやから、それぞれに合う
付属品がいったわけやね。

付属品には、サブロク、サンヨン、
サンパチいうてね、太さがあるんですよ。
   

ーー
 
へぇそうなんですか

   
西尾さん顔   大きいヤツに小さいのん入らんわけでしょ。
小さいのんに大きいのん入らんしね。
こうやってみな大きさが違いまんねん。
太さ、内径が。

   

ーー
 
これはさっき言うてはったサブロクですね。

 
1-2写真16
西尾さん顔   そうや。サンヨン言うたら内径が細いヤツ。
大きさも長さも

   

ーー
 
全然違いますね

   
西尾さん顔   ヨンブ言うたらね。

  1-2写真17
右からサンヨン、サブロク、ヨンブ

ーー
 
よう持ってはりましたよね。

   
西尾さん顔   そうやよう持ってたわ。
無かったらやってへんもんな。
前は分けてくれってよう来てたわ。



   

ーー
 
一つの万年筆を作るのに…

   
西尾さん顔   付属品スゴくいる。
ていうのは、クリップ、天ビス、ペン芯、
ペン先にチューブ、
物によっては尻金みたいなビスもいるし、
頭のビスは必ずいるわけ。
てっぺんのやつね。

昔はラクトやったんやけど
ラクトやったらパンパンってやってたら
折れよんねん飛びよるんです古なってきたら。
で、最近は真鍮から鉄になってきてね。
万年筆はスゴくパーツが要ったんやね。
   

ーー
 
だから高級品なんですね。

   
西尾さん顔   そうそう。
カブトギ(兜木)さんいうて、
東京のスゴいペン先職人さんがいてて。
これがそう。JISマーク入ってますわ。
んで、ちょっと高級なんですわね。
なんや兜木銀二郎いうのがオヤジらしいて、
なんやスゴいらしい。
(昭和大帝の万年筆を作り、
文房具コレクターの間では制作品が
高価で取引されているらしい)
名前が通ってるだけにね。
  1-2写真18

ーー
 
ところでわたしたち、
一本づつ購入させていただきたいんですけど…

   
西尾さん顔   これはどうもありがとうございます。
   

ハハハハ

   
ーー   で、ワタシは万年筆初心者でどう買えば良いのか、
インクの入れ方から分からないんですけど、
書けるようにしていただけますか。

   
西尾さん顔   うんうん、全部やったげるよ。
それが商売やがな。
   

ハハハハ

   
西尾さん顔   あんじょう見たげるわ。
エエペン先付けたげるわ。
   

ーー
 
ありがとうございます。
一つわがまま言わせてもらっていいですか。

   
西尾さん顔   あんまり言わんといてな。
   

ハハハハ

   

ーー
 
細かい文字を沢山書きたいんですけど、
このペン先を細かい文字用に変えられるんですか。

   
西尾さん顔 結局ペン先はね、キレイに研いだかで決まるんよ。
ね、結局手で作るヤツやもん。
太さによってみな違うわけ。

この堅さ先見なアカンねん。
ほんで使えへん場合はね
インク出して水入れといてくれればエエねん。
   

ーー
 
ほぉ〜

   
西尾さん顔   というのはね、こういうもん入ってんねん。
キルクね。
長いこと経ってきたらね、
木やからね枯れてきよんねん。
  1-2写真19