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第十回
「テイヨクヘリホミイ」
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嘉賀美能加和(カガミノカワ)宝船図・部分【五條天神社/京都市、下京区】
 上部の丸い朱印の九文字は「テイヨクヘリホミイ」と読み、意味はわからないが、お祈りのことばであるという。これは神代文字といい、漢字伝来以前に古代日本で使用され日本固有の文字で、ひらがな文字の基になったともいわれている。
 ここは義経と弁慶の出会いの場として知られる平安京五条の地で、かつては「天使の宮」と呼ばれたが、今はビルに囲まれている。こちらの宝船図は日本最古のものであり、船に稲穂を一束乗せただけの簡素なものであり、毎年の節分日にのみ授与される。由緒略記によると室町時代には、節分祭の当日に宮中および親王や公家にのみ、この宝船図は献上されていたいう。描かれる稲(イネ)は、命根であり、生命をつなぐ根元であり、稲にまさる宝はほかにないという。金銀・珊瑚・宝石もなければ、まだ七福神も乗りこんではいない、この宝船に毎日、厄除け、病除けを祈願すれば、年中つつがなく世上の波を渡り安全を保つことができるという。宝の本当の意味を考えさせられる、ありがたい宝船だ。

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